水は放置すると腐る？

水自体は腐ることはありませんが、放置された水が微生物の増殖や化学的変化によって不適切な状態になることがあります。特に常温で放置されたプラスチックボトル内の水は、微生物の増殖の温床となり、飲用に適さなくなる可能性が高まります。
以下に、常温・プラスチックボトル内の水の腐敗時間や影響を解説します。

●微生物の増殖
常温で放置された水は、微生物（細菌、カビ、ウイルスなど）が繁殖する温床となります。これらの微生物が増殖することで、水の品質が低下し、飲用に適さなくなります。
●プラスチックボトルの影響
プラスチックボトル内の水は、環境中の微生物がボトル内に侵入する可能性があります。また、プラスチックボトルが微量の化学物質を放出することもあり、これが水の品質に影響を与える可能性があります。
●腐敗時間
水の腐敗時間は温度、ボトルの素材、ボトル内の微生物の有無、空気中の微生物の影響などに依存します。一般的には、常温（15?25℃）で数日から1週間程度で微生物の増殖が始まり、飲用に適さなくなる可能性が高くなります。
●予防策
水の腐敗を避けるためには、水の保管状態や衛生管理が重要です。定期的に水を交換し、密封容器を使用することで微生物の侵入を防ぎます。また、涼しい場所で保管し、直射日光や高温を避けることも重要です。

総じて、水の品質を保つためには、新鮮で清潔な水を定期的に補充し、適切な保管方法を実践することが重要です。

水道水は腐敗するのに河川の水が腐敗しない理由

水道水と河川の水は異なる状態であるため、腐敗の概念が適用されるのは一部であり、一般的な意味での腐敗は発生しません。以下に、この違いについて説明します。

●水道水
・水道水は水処理施設で処理され、細菌やウイルス、有害な物質が除去・処理された安全な水です。水道水は消毒やろ過、除菌などの処理を受けており、微生物の繁殖や腐敗が抑制されています。そのため、一般的な意味での腐敗は発生しません。
●河川の水
・河川の水は天然の水源であり、人為的な処理を受けていないため、微生物や有機物が豊富に含まれています。河川の水は自然界の生態系に組み込まれており、微生物がバランスを保ちながら存在しています。この自然の状態では、微生物が適切なバランスを保ち、腐敗が起こりにくいです。
・ただし、河川の水が新たな微生物や有機物によって汚染される可能性があり、これが不適切な条件下で長期間放置されると、不快な臭いや異常な色の変化が生じることがあります。これは腐敗というよりは、微生物の増殖や酸化などが影響して水の品質が変化する現象です。

総括すると、水道水と河川の水は違う状態であり、それぞれの特性によって微生物の繁殖や水質の変化が異なります。腐敗という概念が適用されるのは、主に微生物による変化が見られる河川の水であり、水道水は腐敗しないと言えます。

水を腐らせないために知っておくべき保存法
水を腐らせないためには、適切な保存法を実践することが重要です。特に長期間の保存や非常時の備えとして、以下のポイントを考慮して水の保存を行いましょう。

●清潔な容器を使用する
長期間の保存に適した飲料用のプラスチック容器やガラス瓶を使用します。これらの容器は、微生物や外部の汚染物質をシャットアウトするのに適しています。
●密封性を確保する
容器はしっかりと密封し、外部の空気や微生物の侵入を防ぎます。密封された状態で保存することで、水の品質を保つことができます。
●直射日光を避ける
日光にさらさないようにし、光の当たらない涼しい場所に保存します。直射日光や高温の環境は微生物の繁殖を促進し、水の品質を損なう可能性があります。
●清潔な状態を保つ
水を注ぐ前の容器や器具、手は清潔に保ちます。微生物や細菌の侵入を防ぐため、清潔な状態を維持することが重要です。
●定期的な交換
長期保存する際には、定期的に水を交換することを検討します。特に非常時に備える場合、定期的な交換が必要です。
●消費期限を設定する
長期保存する際には、保存開始日や消費期限をラベルに記載し、定期的に確認する習慣を持ちましょう。
●水処理剤の使用
長期保存の際には、専用の水処理剤を使用することで、微生物の繁殖を抑制する助けになります。

これらのポイントを守ることで、水の品質を維持しながら長期間保存することができます。非常時や災害時の備えとして、水の十分な確保と適切な管理が重要です。