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三滋マリン水道

水道用語で「こ」が頭となる説明解説

硬度
硬度(英: hardness)は、水道関連および水質評価において重要なパラメータの一つです。硬度は水中のカルシウム(Ca)およびマグネシウム(Mg)イオンの濃度を示す指標で、水の特性や使用目的に影響を与える重要な要素です。本稿では、硬度の定義、種類、影響、測定方法、および調整について詳しく説明します。

1.硬度の定義
硬度は、水中に溶存するカルシウム(Ca2+)およびマグネシウム(Mg2+)イオンの合計量を測定したものです。これらのカチオンは水中に存在し、水が地下または表面水源を通過する際に、岩石や土壌中の鉱物と相互作用し、水中に移行します。硬度は通常、ミリグラム/リットル(mg/L)またはパーツ・パーミリオン(ppm)の単位で表されます。
硬度の主な成分は以下の通りです。
a.カルシウム硬度(Ca硬度): カルシウムイオン(Ca2+)の濃度を示す。主にカルシウムカーボネート(CaCO3)の形で存在する。
b.マグネシウム硬度(Mg硬度): マグネシウムイオン(Mg2+)の濃度を示す。主に硫酸マグネシウム(MgSO4)の形で存在する。
c.硬度は水の品質と処理に関連しており、水道水、飲料水、農業用水、産業用水などの異なる用途に応じて制御および調整が行われます。

2.硬度の種類
硬度は主に以下の2つの種類に分類されます。
a.一般硬度(Total Hardness): 一般硬度は水中のカルシウム硬度とマグネシウム硬度の合計を示すパラメータです。一般硬度は主に水道水および飲料水の品質評価に使用されます。
b.炭酸性硬度(Carbonate Hardness): 炭酸性硬度は水中の主にカルシウムカーボネート(CaCO3)およびマグネシウムカーボネート(MgCO3)に由来する硬度の一部を示すものです。このパラメータは水中のアルカリ度とも関連しており、水の中和能力を示す指標としても使用されます。

3.硬度の影響
硬度が水質と使用目的に与える影響は次の通りです。
a.飲料水の品質: 適度な硬度は、飲料水の風味や安全性に寄与します。硬水はミネラルを供給し、飲みやすい水を提供します。
b.結垢の形成: 高硬度の水は、カルシウムカーボネートの沈殿物や結垢の形成につながる可能性があります。これは水道管、ボイラー、温水器などの設備に影響を及ぼす問題です。
c.洗濯効果: 高硬度の水は洗濯に適しておらず、洗剤の効果を低下させる可能性があります。これは洗濯機や衣類の寿命に悪影響を及ぼすことがあります。
d.農業用水: 農業では、硬度は土壌と作物に影響を及ぼす要因として重要です。硬度の適切な調整は土壌酸度と栄養素供給に関連しています。
e.産業プロセス: 産業プロセスにおいて、水の硬度はプロセスの効率性に影響を与える可能性があり、設備の保守にも影響を及ぼすことがあります。

4.硬度の測定方法
硬度を測定するためには、水標本からカルシウムおよびマグネシウムイオンの濃度を定量的に抽出するいくつかの方法があります。主な測定方法には以下が含まれます。
a.EDTA滴定法: 有機化合物であるエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を使用してカルシウムおよびマグネシウムイオンを錯体化し、滴定によって硬度を測定します。
b.コンプレックスメトリー: カルシウムおよびマグネシウムイオンをキレート剤と共役系で錯体化し、吸収スペクトルを測定して硬度を決定します。
c.原子吸光分光法: カルシウムおよびマグネシウムイオンの濃度を、それぞれの吸光線で分析します。

5.硬度の調整
硬度を調整するためには、以下の方法が一般的に使用されます。
a.逆浸透膜: 逆浸透膜を使用して水から硬度成分を取り除く方法。これにより、軟水が生成されます。
b.イオン交換: イオン交換樹脂を使用して、水中のカルシウムおよびマグネシウムイオンをナトリウムイオンに交換する方法。これにより、ナトリウム硬度が生成されます。
c.軟化剤: 軟化剤として知られる特殊な化学物質を使用して硬度成分を取り除く方法。

まとめ
硬度は水道関連および水質評価において重要なパラメータであり、水中のカルシウムおよびマグネシウムイオンの濃度を示すものです。硬度は水質、設備の保守、飲用水の風味、農業、産業プロセスなどに影響を与えます。硬度の適切な調整と管理は、水質改善および異なる用途に対する適切な水の提供に不可欠です。


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